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技術に適正価格はつけにくい -産経新聞 暮らしと経済 達人口伝 Part5-

クリーニング業界に二極分化が進んでいる。しみ抜きや仕上げに手間をかけ、「個別洗い」「高級仕上げ」などのメニューで、数千円単位の価格を設定する業者。一方、徹底的な業務の効率化でコストを下げ。「ワイシャツ百円」などの低価格で客を集める業者だ。

いずれも大手チェーンが主で、その挟間にいるのが、いわゆる町のクリーニング店。フリーマーケットを舞台に活躍する「しみぬき屋」の若手四人も自分の店に帰れば、一店主として思い悩む。

「経営でみれば、高価な服や思い出の服の汚れを落とし、お客さんが満足して支払ってくれるなら大手のような価格も考えられる。でも、職人としては、そこまでの技術ではないといいたいし、とてもそんなことはできない」

プロのしみ抜きは高度な専門的技術であり、インターネットで紹介されている家庭向けハウツーはどとは次元が違う。

しみ抜きには汚れの種類や経過時間、生地の組成などの見極めが重要だが、いつ何がついたか分らないものが多い。汚れは一般的に色素汚れ、水性汚れ、油性汚れの順でついていることが多いため、逆に油性処理、水性処理、漂白の順で効果を確かめる。性質の違う薬品の併用で効果を強めたり、弱めたり。汚れは、最後に専用ブラシやエア、超音波などで飛ばす必要もある。

良心的な店は、こうした作業を「前処理」として通常の工程の中で行う。「化学反応の知識や経験、薬品や機材を生かし、自分の腕でどう使いこなすか。技術に適正価格はつけにくいですね」

しみぬき屋はフリーマーケットで当初、1.5センチ四方二百円でしみ抜きを請け負っていたが、しみ抜き技術を多くの人にみてもらうため、この春から三点まで原則無料にした。客が持ち込む大半は会場で購入した古着なので、プロとしては手ごわいが、腕の見せ所でもある。

「衣類の汚れは時間が経てばたつほど取るのが難しくなる。当然、完全に除去できないこともある。でも、大事な服やお気に入りの服はあきらめず、まじめで誠意のある店を探し、早いめに相談してみてほしい」

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