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メーカーと消費者の間に立ち信頼を結ぶ -産経新聞 暮らしと経済 達人口伝 Part4-

「クリーニング業組合で『受講案内』をみかけ、仕事に役立つかなぐらいの気持ちで挑戦しましたが、合格率が約25%しかない難関とは思わなかった」

クリーニング業を営むには、厚生労働大臣認可のクリーニング師の資格が必要。それとは別に業界だけで注目されているのが、繊維製品品質管理士(通商・TES=テス)だ。

経済産業省管轄のこの資格は、繊維製品の品質や性能の向上を図り、消費者からのクレームを未然に防ぐことで、企業と消費者の信頼関係を構築するのが任務。アパレルや小売り・流通業界で高い評価を受けている。

取得するには、日本衣料管理協会の認定試験を受け、繊維に関する一般知識▽製造と品質に関する知識▽流通と消費者問題に関する知識▽事例論文▽論見論文の計五科目を、四年間でクリアしなければならない。

一年目に四科目をクリアできたが、平成十四年に合格するまでに足かけ三年を要した。現在も大阪府内のクリーニング業界に、TESは二十数人しかいないという。

ふだんから多種多様な衣類を扱っていると、その製品の欠陥に気付くことは多かった。

激しく色落ちしたり、簡単にプリントがはがれたり。電話で欠陥を指摘しても、こっそり回収してだんまりを決め込むメーカーもあり、「なぜ欠陥をきちんと公表しないんだ」と詰め寄ったこともある。

「明らかに対洗テストをしていない製品や、次々と登場する新機能、新素材製品にも劣化の激しいものがある。だれもが知っている高級ブランドも驚くほどずさんなつくりだったり、汚れること、洗うことなどを一切、考えていないものがある」

衣類の品質上の欠陥は、消費者に損害を与えるだけでなく、怒りや不満としてクリーニング店に直接降りかかり、信用問題に発展する可能性すらはらんでいる。

TESの資格は取ってからは衣料メーカーのTESに直接連絡をとり、品質に関する意見を述べたり、データを取り寄せて分析したりできるようになった。

「メーカーの対洗テストもその時点の結果。繰り返し使ったときの製品の問題点を正確に指摘できるのはクリーニング業界だけ。アパレル・メーカーと消費者の間に立ってお互いの信頼を結ぶことのできる重要な役割だと思っています」

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