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"本当の技術"を消費者にアピールしたい -産経新聞 暮らしと経済 達人口伝 Part2-

「しみぬき屋」の発足のきっかけは三年前の秋にさかのぼる。

大阪府内約一千の業者が加盟する大阪クリーニング生活衛生協同組合では、技術向上や情報交換を目的に勉強会や有志の会合が開かれている。そうした席で若手ら、クリーニング業界に対する消費者からの不信感、自らの危機感が話題にのぼるようになった。

「何かしなければ・・・」「目に見える形で・・・」。当時、青年部技術部長で大阪市港区に店を持つ中原強志さん(三六)らが中心になって活動を始めたのが、しみぬき屋。ワゴン車にしみぬき機材一式を載せ、平成十五年二月から第一日曜日などにフリーマーケットに出店するようになった。

中原さんの趣旨に賛同し、その年の四月から参加した。そこに松原市の田中弘さん(三八)、八尾市の廣島明さん(三四)が加わり、最新の技術を研究しながら現在、四人で活動を続けている。

「大手を除くクリーニング業者の大半は典型的な家内産業。業界の全体の売り上げも右肩下がりで。月に二軒、三軒と廃業の話を聞く。先輩方には失礼かもしれませんが、クリーニング業界は自らの技術を磨こうとしなかったし、消費者にきちんとしたものをアピールしてこなかったのではないか」

メンバーに共通するのはこうした思いだが、研究すればするほど深刻な事態に気付いていく。

日本消費者協会が昨年実施したクリーニングに関する調査によると、消費者がクリーニング店に求めるものとしては、近所にある(70.6%)、低価格(58.6%)などが上位を占めたが、クリーニング店側のセールスポイントは技術力(77.0%)、集配・外交(68.9%)などで、意識の違いが大きく表れた。

「私たちは技術を売りたいが、消費者はそれを求めていない。だからといって、安くいいかげんなものを売るわけにはいかない。本当の技術、きちんとしたクリーニングとは何かを消費者に訴えていくしかないんです」

クリーニング業界以外の友人と話すときも、「ドライクリーニングってあるやろ。ドライクリーニングで汗は完全にとれへんって知ってる?」と問いかける。ブラックボックス化されたクリーニング業界を外に開く小さな一歩でもある。

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